亜東印画輯 06 110 "大道易者"
Summary
日本語: ◉大道易者
靜思萬象とはこのことだ。身はボロに包むとは雖も、座前の算木を見つめる老いたるそのまなざし、如何なる事象をも見拔かずにはおかぬといつた威容を示そてゐるではないか、とはいふものゝほんとをいへば二錢三錢を稼ぐ大道易者、陽は旣に西に傾けど、立寄つて觀相を乞ふ一人もなく、徒らに砂芥算木に積るばかり。人生この易學の大家にも、好運の廻り來らざるを痛感してゐるところかも知れない。 (印畫の複製を嚴禁す)
Date
1915 - 1925
Source
亜東印画輯 第6冊
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Public Domain